アレクサンダーテクニークを知らない頃(読了目安:2分)
こんにちは!大橋しんです。
僕がアレクサンダーテクニークとの出会いを、
ドイツ生活の思い出ばなしと共にしばらく書いていきますね!
僕が楽器をやっていた十代の終わりの頃、衝撃的なことがありました。
とっても楽器の上手な人と友人になったのです。僕との演奏レベルの差は三輪車とF1。
僕は当時今にも増して凡庸な、スポーツもしない奥手な男の子。
友人は家業の工務店を手伝っていて、ゴムまりみたいなむきぷよ体格でエネルギーに溢れ、
高くて大きな声でとにかくよくしゃべる。
その割にニオイを執拗に気にするなどかなりナイーブな側面を持っていました。
友人は僕の部屋に住み着いて、一緒に寝起きしてましたが、
一日中「どうやったらうまくいくんだろう」と考えているらしく、
いつでも唐突に「わかった!」と言って僕にひらめいたアイデアを語るのです。
内容はいつでも楽器の弾き方。
僕は今カウンセラーの資格を持っていますが、当時から根っからの聞き役で、
彼がどうしてそのアイデアに至ったのかを、
2時間も3時間もぶっ通してしゃべるのに付き合っていました。
友人は夜通ししゃべった後、いつの間にか寝てしまうんですが、
いびきがこれまたうるさくて、やれやれと思ったりしていました。
でも僕はその友人の溢れ出る探究心やエネルギーがうらやましく、断りもなく部屋に居候し続けるのにも関わらず、
特に嫌いもしないで半年ほど生活を共にしました。
一緒に楽器を弾き、CD屋で音源を探し(当時はネットはまだ普及していなかった)、弁当屋に通いました。
彼のアイデアは常に更新され、以前の考えに執着することがなく、いつでも大発見をした興奮をもって、僕に熱く語りました。
やがて友人は気に入った女性を追っかけて僕の部屋を離れる機会が増え、
やがてそちらに移っていき僕の生活は静かなものになりましたが、
僕の頭には彼の
「どうやったらうまくいくんだろう」
「分かった!」
が残ったのです。